

Quartz Glass
石英ガラスについて
大興製作所のものづくりを支える石英ガラスの種類や特長、物性データなどをご紹介します。
石英ガラスとは
石英ガラスとは、二酸化ケイ素(SiO2)からなる、極めて高純度のガラス材料です。天然水晶や合成された高純度シリカを高温で溶融、冷却することで製造されます。
一般的なガラスに比べて均質で、光学的・熱的・化学的特性に優れているため、半導体製造や光学機器、理化学機器など、高度な性能が求められる幅広い分野で欠かせない素材となっています。

石英ガラスの種類
石英ガラスは、製法によって「溶融石英」と「合成石英」の大きく2種類に分けられます。
さらにその中には、不透明石英や無水石英などの特殊な製品に加え、脈理フリー、高純度品といった細かなグレードが存在しています。
製法やグレードの種類によって内部の不純物含有量や物性なども異なるため、加工においても、それぞれの材質に応じたプロセスを適切に選択することが重要です。
- 石英ガラス
- 溶融石英
- 酸水素溶融
- 透明石英
- 不透明石英
- 電気溶融
- 酸水素溶融
- 合成石英
- 直接法
- VAD法
- 有水石英
- 無水石英
- 溶融石英
| 溶融石英 | 合成石英 | ||
|---|---|---|---|
| 酸水素 溶融 | 電気 溶融 | ||
| 金属 不純物 | 0.01ppm以下 〜8ppm | 0.01ppm以下 | |
| OH基 | 約 200 ppm | 約 5〜20 ppm | 約1000ppm (無水石英では 1ppm以下) |
| 耐熱 温度 | 約1000℃ | 約950℃ | |
| 気泡 | 合成石英に 比べて多い | 非常に少ない | |
| 光学 特性 | - | 深紫外線透過性、 均質性に優れる、 レーザー耐性、 蛍光が出にくい | |
- Feature 01
薬品に強い
化学的に安定した優れた耐薬品性
特長
石英ガラスは、酸・水・有機溶媒など多くの薬品に対して優れた耐食性を持ち、一般的なガラスが劣化する環境下でも高い安定性を発揮します。
高温環境でも化学的性質が変化しにくく、表面からの溶出や反応がほとんど起こらないため、強酸・溶媒・腐食性ガスなどを伴う過酷な薬品環境においても適した素材となっています。
- Feature 02
熱に強い
1000℃までの耐熱性
特長
石英ガラスは、一般的なガラスよりも圧倒的に高い耐熱性を持っています。溶融開始温度(軟化点)は1700℃前後と非常に高く、1000℃の高温環境でも使用が可能です。
また、高純度な組成により高温状態でも不純物の放出が極めて少なく、半導体製造や分析装置などクリーン性が求められる環境で使用されています。
- Feature 03
熱膨張に強い
急激な温度変化に耐える
特長
石英ガラスは熱膨張率が極めて低く、急加熱や急冷といった急激な温度変化に対しても高い耐熱衝撃性を発揮します。
一般的なガラスでは破損しやすい環境下でも安定した形状と特性を維持できるため、高温プロセスや温度サイクルが頻繁に発生する装置において、信頼性の高い素材として利用されています。
- Feature 04
透過率が高い
紫外光から赤外光まで通す
特長
石英ガラスは、紫外線(UV)から可視光、赤外線(IR)まで幅広い波長を透過し、特に200nm付近の深紫外領域でも高い透明性を維持します。
高純度で光学特性が安定しているため、医療用検査装置の石英セルをはじめ、光学分析やレーザー、UV装置など、精密な光処理が求められる分野で幅広く活用されています。
- Feature 05
均質である
密度・屈折率のムラが小さい
特長
石英ガラスは金属不純物が非常に少なく、材料内部の屈折率や密度、化学組成がきわめて均一です。
微小な気泡や脈理、屈折率のムラといった内部欠陥も少ないため、光学・熱・機械特性が部位によって変化しにくい特性を示します。特にレーザー利用やUV~深UV領域においては、一般的なガラスでは得られない高透過率と低歪みの光学性能を発揮します。
物性データ
※グレードについては(株)東ソー社の各製品情報を元に作成しています。
※下記の数値は代表値であり、保証値ではありません。
純度
| 種別 | グレード | Al | Ca | Cu | Fe | Na | K | Li | Mg | OH |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合成石英 ガラス | ES | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | 1000 |
| 無水合成 石英ガラス | ED-C | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <1 |
| 溶融石英 ガラス | N | 8 | 0.6 | <0.01 | 0.2 | 0.6 | 0.1 | 0.07 | 0.06 | 200 |
合成石英ガラスの物理的諸特性
| 種別 | 単位 | 値 |
|---|---|---|
| 比重 | - | 2.2 |
| ヤング率 | GPa | 73 |
| ポアソン比 | - | 0.18 |
| 圧縮強さ | MPa | 1128 |
| 剛性率 | GPa | 31 |
| ピッカース 硬さ | MPa | 8900 |
熱的性質
| 種別 | グレード | 歪点 (℃) | 徐冷点 (℃) | 軟化点 (℃) | 平均線熱膨張率 ×10-7 ℃-1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 合成石英 ガラス | ES | 970 | 1080 | 1720 | 4.7 |
| 溶融石英 ガラス | N | 1070 | 1180 | 1720 | 5.9 |
電気的性質
| 種別 | グレード | 誘電率 𝜀′ 500MHz | 誘電体損失 (tanδ)500MHz | 体積抵抗 (25℃)Ω | 体積抵抗率 (25℃)Ω・cm |
|---|---|---|---|---|---|
| 合成石英 ガラス | ES | 3.9 | <1×10-3 | 5×1015 | 1×1017 |
| 溶融石英 ガラス | N | 3.9 | <1×10-3 | 3×1015 | 5×1016 |
合成石英ガラスの屈折率
| 波長(nm) | 屈折率 |
|---|---|
| 157.6(F2) | 1.661469 |
| 193.40(ArF) | 1.560165 |
| 248.30(KrF) | 1.508432 |
| 365.015(i) | 1.474581 |
| 404.656(h) | 1.469664 |
| 435.835(g) | 1.466738 |
| 486.133(F) | 1.463166 |
| 546.074(e) | 1.460118 |
| 波長(nm) | 屈折率 |
|---|---|
| 587.562(d) | 1.458504 |
| 589.294(D) | 1.458443 |
| 632.8(He-Ne) | 1.457059 |
| 656.273(C) | 1.456408 |
| 706.519(r) | 1.455186 |
| 852.11(s) | 1.452505 |
| 1013.98(t) | 1.450284 |
| 1082.989(He) | 1.449449 |
合成石英ガラスの光透過性

屈折率(Nd)とアッベ数(Vd)
グラフ
グラフ












